陽気な木星

そういえば以前こんな記事を書きながら、「結局3F+3Loの3Loを跳びそこねた場合その後現実的にはどうリカバリーできるっていうんだよ」ともうなんだかわかんなくなっちゃっていたんですけど、ボストンワールドの蝶々夫人の3F+3Loのところの解説で荒川さんが「トリプルフリップトリプルループを跳ばないと後半でトリプルダブルダブルのコンビネーションがループループつけられないこともあって、すごく前向きに挑んでいった3回転3回転コンビネーション」って言ってて、最初からリカバリー考えられない構成だったわけじゃんって納得した訳です。解説ありがとうございました。決して聞き漏らしていなかったよということをここに記しておきます。

(なお、どうもいまどきのジュニアやシニア上がりたての女子の若手選手たちは、プログラムで実際に使うことがなかったとしてもいろんな3回転ジャンプの後にセカンドトリプルジャンプをつける練習をしておくらしいので、非常に感心しています。リカバリー大事なんですね。いったいどんだけジャンプの練習してるんだろう。単純に考えてもものすごい練習量になりますよね。あげく、トリプルアクセルも挑戦したいとか殊勝なこと言う人たちもいるし。ああ、それにジャンプの入りの助走はできるだけ短い方が望ましいんでしょう? ジャンプだけ練習してりゃいいってもんじゃないだろうからどうやって時間やりくりするんだろう。ともかくくれぐれもけがのないよう、ストレッチは念入りに。)

SOI行きたいなあ。我が子の練習の追い込みを聞きながら、以前演奏したジュピターを思い出していました。もちろんまったく技術が足りていないというのが第一の理由ですが、勘所が変なのか、スキップしたくなっちゃうような陽気な木星になってしまう。「それはないだろう」ってよく言ったものなのですが「僕のイメージはこうなんだ」の一点張り。自分の音楽の解釈としてそうだというのならそれもありかなと思ったとはいえ、今練習している曲も笑っちゃう旋律になってしまっている以上、どんな曲も同じパターンになってたらいかんだろう、と独りごちているわけです。そうはいうもの本番も間近となると、もう下手なこと言って無駄に自信なくさせて恐怖を与えてもしょうがないので、よしとするかと。

試合前のコーチってそんなふうに生徒を見てるのかなあとふと思いました。

日本でも公開してほしいジャズ映画3本

ジャズは世界で一番日本で売れてるんじゃないかと思うんですけどね、そういう意味では昨年映画祭で公開され、今年ぼちぼちアメリカでロードショー公開されているこういった映画を日本で公開してもそれなりの収益は見込めると思います。午前中などに上映してくだされば私も必ず見に行きます。

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いわば近況報告になるのでしょうか

エスペランサ・スポルディングの新しいアルバムをタワーレコードで予約してコンビニ支払い受け取りにしていたのに、あろうことか入荷メールを見落とし、返品になってしまう大失態。一応、受け取り先であったコンビニに電話して(忙しいときにすみません)謝りました。ご面倒をおかけした「だけ」で金銭的な被害とかは店舗側にはなかったようなのですけど、それにしてもね。ああ、疲れてます。

エスペランサ好きなんですよ。ついCDを買ってしまう、いまとなっては数少ないアーティストの一人。数年前には演奏を聴きに行ったこともあります。5月にまた来日するんですけどね、平日夜にお台場のライブハウスだからちょっと。誰かに子供を見てもらうにしても、まだ小さいですし。

(自分にとって時間的な負担が少なそうなSOI東京公演でさえも少し迷ったとはいえ、あきらめました。その時期は真央ちゃんや小塚君ではなく、きっと子供に拍手していることでしょう。)

話がそれましたが、そんなこんなで結局、忘れてたくせして思い出したらすぐさま聴きたくなったものですから、結局Amazon.co.jpで自宅宛直送で注文し直して手に入れたわけです。でも、今回のアルバムEmily’s D+Evolution、プロデューサーがトニー・ヴィスコンティなんですね。一曲目のこの曲かけた瞬間にいかにもでふいてしまいました。

エスペランサのアルバムは出すたびに曲調が違うんです。でもフレージングというのかな、それはいずれもいかにものエスペランサ節というものがあって今回もそれは健在。

たとえばChamber Music Societyのときは、こんな感じでした。

レターマンが紹介しているように、このアルバムを出した頃に、グラミー賞の新人賞にノミネートされていたんですよね。で、ジャスティン・ビーバーを蹴落として受賞してしまうというまさかの珍事が起こりました。アメリカ人全然エスペランサ知らないんだもの。ビーバーのファンは発狂するし。ありゃ誰だと。日本の方が知名度あったかもしれません。でもさ、グラミー賞って音楽関係者が投票権あるんだから、そりゃ、業界の人に選ばせたらダントツにエスペランサになるもんね、って思いましたよ。

ドラムはテリ・リン・キャリントンです。かっこいいですね。

でも、エスペランサはChamber Music Societyの前にすでにEsperanzaというメジャーデビューアルバムを出しています。いちおうテレビに出てプロモーションなんかしてるんですけどね。でも、日本で売れたのではないでしょうか。

とはいえ、これどう考えても「普通に売れる」って感じの演奏じゃないですよね。それに見た目も全然垢抜けてないし。

要するに、技術が高けりゃ評価される世界でもないんですよ、芸能界って。そういうこと考えると、フィギュアスケートってスポーツというより芸能に近いのかもしれません(やけくそ)。

一番売れたのはやっぱり前作のRadio Music Societyなのでしょうか。グラミー賞も受賞し、知名度も上がったせいか、このアルバムでは気合い入れてストーリー性のあるPV作ってます。

 

曲としてはこっちのほうが好きかな。↓

このアルバムが出たとき、マーケティング的にもこれを上回るのを作るのは結構難しいかもって思いました。実際、今回の新作まで4年も空いてしまいましたし。(といっても、ジャズミュージシャンですから、ほかのアーティストからお声がかかって、バンドメンバーとして忙しく活動していました。実際、私もエスペランサの演奏を生で聴いたのは、テリ・リン・キャリントンのThe Mosaic Projectの一員として来日したときです。)

でも、練りに練ったおかげで新作もおすすめですよ。

エスペランサの曲はどれもどう考えてもフィギュアスケート向きではないので、フィギュアスケートファンの方々にはおそらくつまらないであろうエントリになってしまいましたが、どのアルバムのタイプであれエスペランサがやってるようなわけわからん曲を滑ることができる人が仮にいるとしたら、考えられるのは髙橋大輔ぐらいではないかと。

しかしなあ、今年買ったCDが両方ともトニー・ヴィスコンティのプロデュースだとはなんとも。いわずもがな、もう一枚はこちらです。

ではまた。

痩せた青白き侯爵

(2016/01/29 ソウルトレインでのインタビューおよびGolden Yearsの動画を追加)

私の中学生の頃はまだインターネットがなく、その一方でまだ貸しレコード屋という商売が成り立っていた時代で、ビリー・ジョエルのLPを《友&愛》にレンタルしに通ったものだという話は以前書きましたが、ほかにもレコードを借りられるだけ借りにいったアーティストの一人がデヴィッド・ボウイでした。レッツ・ダンスがヒットしていましたしね(今日、はじめてレッツ・ダンスがボウイのアルバムの中で一番売れたものだということに気がつきました)。

まあ戦メリも話題になっていたんですけどね。でもうちの両親は「ものを知っていた」ので、公開されたときに「見に行きたい」と言ったら反対されました。「大島渚の映画で、出演者がデヴィッド・ボウイと坂本龍一とビートたけしの戦争捕虜映画なんて、見ても絶対におもしろくないだろうからやめとけ」と。

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真央ちゃんのジュピターを見て泣いて、それからマイケルを想う

急遽こちらのエントリを先にします。先ほどNHK杯のスペシャルエキシビションの第2部を見ました(そしてBSでやっていたほうの1部を録画しそこねて見られないという大失態。オンデマンドとかでやってるかな)。ブログにでも書こうと思ってちまちまとそれぞれの選手の演技の感想をメモっていたのですが、そんなことは最後の真央ちゃんのジュピターを見てどうでもよくなりました。(いや、それは言い過ぎですね。)

メモった細かい感想は省きます。東日本大震災復興を願うチャリティーということで、出場された方々はそれぞれの思いを込めて滑ったのでしょうけど、やっぱりキャンデロロはさすがだな、そして織田君はやっぱり上手いな、でも一番すごいのはプルシェンコですね(みんなプルシェンコにあこがれるというのなら、あの音楽にはまったキレっキレの体全体の機敏な動きをきちんとできるようにすべきですよね。落ち着いたテンポの曲ならば羽生君はプルシェンコを意識した表現ができるんだろうけど、どんな速さの曲だってプルさんはスケーティングを崩さずにできるし、そのために基礎的な練習や体作りを積み重ねてるんだなあとつくづく思う)。ロロさんもそうですけどこういう場で本気出せる、念入りな準備をしてオンリー&ベストの形で登場してくるプロはすごいと感嘆していました。

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この世の中、やっぱり愛が足りていないんだと思うの

なんだか気が滅入りながらも、この日曜日は用事があって出かけました。

開店したばかりの駅ビルの食料品売り場に入るなり、私の好きな歌が聞こえてきたのです。

食料品売り場だというのに、その歌を立ち止まって聴いてしまいました。

なんだか涙がこぼれそうになりました。

偶然だと思いますが、あの日、あの歌をかけることにした駅ビルのセンスはすばらしいです。

このブログでも紹介していたでしょうか、ロシュフォールの恋人たちのこの歌。

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前より表現力が豊かになったとか大人になったとかいうけど、そうかあ?

だって以前から真央ちゃんはあれぐらいの表現ならできてたでしょうよ。

単に選曲の問題じゃないかと思いますよ。だって今回は記号的にあからさまにわかりやすい曲だもの。蝶々夫人でなおかつあの曲なんだから。何を表現するのか、見る側が、はっきり言わせてもらうと「プログラム見なかったとしても」察しがつくぐらいわかりやすい選曲でしょ?

ジャッジはともかく(と言っておくよ。それも怪しいけどとりあえず)、特に日本で解説をやってる人たちとか、まあマスコミ一般に、そういった「定説」がないものから演者が演じようとするものを読み取るセンスがあんまりないんだと思う。

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