フィギュアスケートの衣装について(の予定が「フィギュアスケートの衣装と母についての回想」になってしまった件)

リプたんがエテリコーチから離れたとか離れないとかいう噂や、そのこと以前に彼女が今シーズンの欧州選手権や世界選手権の代表から外れたという話を読み、ああ残念だなあと思いまして、いかに私がリプたんのスケートを気に入っていたのか改めて思い知ったわけです。

少なくともリプたんはどういう風にプログラムを一つの作品としてプレゼンテーションしようか、よく考えているんだなあって見ててわかるじゃないですか。衣装のこだわりもその一つなのですけどね。

なので、たとえば、クレオパトラになるために日サロに行き、前髪パッツンwにするという発想は割と好きなんです。ただし、日サロに行って、髪を切りさえすれば表現力がアップという意味ではないですよ。スケートはちゃんとやろう、少なくとも、技術を向上させるというか、しなくても向上したいという意欲は見えるようにしようよ、ということが前提なんですけどね。

リプたんの場合、何かと今シーズンはジャンプのエッジのこといわれていますけど、別のところは昨シーズンよりもうまくなったと思っています。グランプリファイナルの前でしたか、ファイナルの特番で、登場する選手の過去の代表プログラムを流していたのを観ました。リプたんはシンドラーのリストだったんですけどね、一年ぶりに見てそりゃあもうびっくりしました。ええっ、こんなにリプたんってかっくんかっくん流れが止まる無骨なスケートしてたんだって。逆に言えば今シーズン、ジャンプという意味では、特にフリーでは調子の悪い試合ばかり見ましたけど、それ以外の要素やつなぎのところは違和感なかった。今シーズンはまじめにシングルはシリーズ全選手の試合見たので、もし去年みたいなかっくんかっくん無骨なスケートだったら、ほかの選手とも比較してもこりゃあかんって悪い意味で印象に残っていたはずです。要するにうまくなっていると思うんですよね。決して投げやりじゃない。すごく努力していたのだと思います。

私はリプたんのどうしたらそのプログラムの世界を表現できるかといろんな意味でトータルに考えようとする姿勢が好きです。衣装もほんとぴったりなものを選んできますよね。そもそもロシアって昔から衣装をどうするか非常によく考える伝統があると思います。滑りにくそうでも見栄えというか世界観を出そうとするこだわりっていうのかな。タラソワ先生が真央ちゃんに衣装を送ってくることがあったそうですが、あれは真央ちゃんのことが大好きだというのはもちろんのこと、先生にしてみたら、真央ちゃんは良くも悪くもフィギュアスケートを技術次第と思っていて衣装に実用性ばかりを重視しすぎ、あるいは無頓着に見えていたからではないかと思うわけです。

私が幼い頃、運動神経、特に平衡感覚が悪いというのに、年に一度のNHKのフィギュアスケートの試合をテレビで見るのが習慣だった理由は、実母が「共産圏の国の選手の衣装は本当にきれい。ソ連とか東ドイツとかよく考えてお金かけているでしょう? そこがいいのよね。きっと国でお金つぎ込んでいるんでしょうね。西側の選手はそこまでしないからおもしろくない」と言いながら、毎年チャンネルを合わせていたからです。確かにペアとかアイスダンスとかきれいだった。で、当時その中でもインパクトが強かったビット様は、我が家では相当な評価をうけていたわけで、未だに私にはビット様は偉大なりという刷り込みが消えません。まあ、ビットええなあと言っていたのはどちらかといえば亡き父なのですが、母はひたすらソ連人選手の衣装についてああだこうだ言っていました。

ちなみに実母は羽生君ファンです。夏に実家に帰ったときに彼のDVDが買ってあって、しかも帰り際には『蒼い炎』を持たされそうになりました。そういうことなんです。そういう価値観の人なんです。表面しか見ない。目をこらせばその裏から見えてくる哲学なんてまったく興味がない。だから実際『蒼い炎』をどれほど読み込んでいるのかも不明。とはいえ読み込むほどの本かどうかは私には不明ですが。「ごめん、興味ない」と突き返してしまったので。

「髙橋君いいなあ、すごい」なんて言っても私が実際に読みたいと思ってあえて購入した彼に関する本は『身体を引き締める食べ方1:1:2』ただ1冊なので、もともとフィギュアスケーターに関する本はあまり読まないんですけどね。

ともかく羽生君はたしかにかっこいい。スケートも華やかに見える。わかった。そこはいい。でもあなたの言うことで納得いかないことがある。

真央ちゃんの衣装をけなすのはおかしいでしょ。「いつも衣装の色とかデザインが彼女に合ってないと思っていたのだけど、この間の会見の緑のドレスはすごく合っていると思った」みたいな褒めてるんだか褒めてないんだかわかんない言い方は、私も多々受け継いでいると思いますけど、承服しがたい。真央ちゃんはトリプルアクセルを跳ぶためにデザインと滑りやすさを天秤にかけるなら滑りやすさを重視していたの! 真央ちゃんのラベンダーカラー、私は大好きなんです! そもそも似合ってるでしょうよ。去年のゴールデンウィークにあなたに会ったとき、確かにあなたは戦時中の大陸生まれであるけど、だから感覚がなんか海を越えたところに暮らす人みたいなんだろうかと泣きそうになるほど真央ちゃん(の衣装)を一方的にけなすものだから、その前の月に私は日本橋の真央ちゃんの展覧会に行って目を潤ませていたなんてとても言えなかった。真央ちゃんへの尊敬とあこがれを、あなたのような口の悪いばばあに踏みにじられたら、ののしり合いになって帰宅できなくなっていたでしょう。とはいえ、そこまで価値観が相容れなくても銃で撃つことはしませんけどね。

で、そろそろ本題に入りたいのですが、前置きが書きたかったことからそれまくって時間がなくなったので後日にします。

支離滅裂な内容で申し訳ございません! しかも感謝すべき対象である親のことボロクソに書いているし。礼節を重んじるフィギュアスケートファンの方々はさぞや不快に思われることでしょう。

……せめてこのエントリに説得力を持たせようとビット様の華麗なお衣装のお写真のリンクを張ろうかとネットを徘徊しました。カタリナ・ビットと画像検索するとキムヨナばかり出てくるの勘弁してください。なのでビット様のお写真は断念。

Advertisements

4 thoughts on “フィギュアスケートの衣装について(の予定が「フィギュアスケートの衣装と母についての回想」になってしまった件)

  1. こんにちは。
    私も、ユリア・リプニツカヤが好きです。
    リプたんは、特に調子のいい時、いいタイミングでジャンプを飛んでると感じます。そこは、ビット様と共通の魅力だと思ってます。
    リプたんは、「シンドラーのリスト」で、赤いミニのワンピですが、ビット様もプロで90年代に白襟に赤い(スカートの裾は長いです)衣装で「シンドラーのリスト」を滑ってますね。
    私も、ビット様の頃からNHK杯は見ていて、ビット様に憧れてました。
    ビット様は、2大会連続でオリンピック金メダルの条件で、国からプロになる事を約束されていたので、4年間頑張ってこられたと、後から知りました。
    そういうメンタルの強さにも憧れていたのだなと、ビット様の自伝を読んで思いました。
    ビット様の髪型も演目によってコーチが決めていて、コーチに髪を切る様に言われると不本意ながら、髪を切った事もあるそうです。髪を結うのも、コーチがしてました。
    ビット様も形と言うか、衣装から大事にしていきたいと思っていたそうです。
    ソ連のキラ・イワノワさんも、斬新な振り付けと、お衣装だったと思います。
    あの頃、なぜか私の親も一緒にNHK杯を見ていてくれました。
    ビット様は、色っぽくて(太ももはあるって感じ)、エキシビションもやる気満々という感じが特に好きでした。
    ビット様のジャンプは、タイム間が良くて、美しかったと思います。
    私も、リプたんを少しでも多く見たいです。

    Like

    • みけ さま 
      コメントありがとうございます。

      ビット様のシンドラーのリストを動画で拝見しました。ああ、この間の取り方わかるなあ、なるほどと思いつつ、やはりリプたんの映画の再現度の高い秀逸な衣装、当時の彼女の容姿、そしてストロークのぎこちなくもひたむきに思わせてしまうあの感じが、すべて見事にはまって絶妙だったと改めて感心する次第です。

      前季(厳密にはまだ今季なのでしょうか)のエルヴィスの虹色の衣装も演技も好きなんですよ。あれもまた、振り付けも衣装も演技も彼女にすごく合っていたと思います。衣装はその後黒っぽいシックなものに変えてしまったように記憶していますが、私は虹色の衣装のほうがプログラムに合っていてよかったと思います。実際、本人に似合っていたし、ああいう色合いの服を着てもまったく下品にならずに着こなせるところに感心していました。リプたんって実は結構芸域広い。勘所がいい選手ですし、今季も期待しています。

      今のフィギュアスケートはジャンプを跳んでなんぼみたいなところがあり、それ以外の際立つ個性が得点としてその際立った度合いほどには反映されにくい、特に女子シングルはおそらく基礎点にかける係数の関係もあって、なおさらそのように見えるのが残念です。それが現実なんですけど。

      世界選手権は、うちのあたりではちょうど桜が咲く時期と重なります。ああ、さいたまワールドの時リプたん桜が見られて喜んでいたなあ、どうしてるかなあ、と、去年も今年も彼女のこと思い出してしまいました。大会やショーで日本に来られるといいですね。

      Like

  2. 二度目の投稿になりますが、いつもフィギュアスケートをより深く観るための教養を深めるのに大変有益で読み応えのある記事を有難うございます。
    私の母も戦時中の満州生まれだったのですが、当時のソ連人、ソ連兵、八路軍には怖い思いをさせられたのもあってか共産主義アレルギーがすごくて、オリンピックの度に共産圏の国の選手の苦労や大変さを聞かされていました。
    そういうこともあり、私は特にカタリーナ・ビットさんの衣装については、美しいと感嘆しながらも、子供ながらに東側諸国の並々ならぬ意地というか執念を感じてしまい、今でも彼女の衣装を見ると「ああ、冷戦時代だなあ」などと思ってしまいます(その割には演技内容は全く覚えていませんでしたが)。
    なので、ソ連の選手の衣装は印象が薄いとはいえ、berryspoon様のお母様のお話も興味深く読ませて頂きました。
    また本題から逸れますが、冷戦時代のオリンピックをはじめとした国際的なフィギュアスケートの大会では、西側諸国と東側諸国の思惑が絡んでいそうな採点が多かったというか、不謹慎ながらそれらを比較するのが結構面白かった印象があるのですが、今のような倫理的に見てだらしなさすぎるというか、あまりにもどうかと思えるような怪しい採点や試合があったかな?・・・と、ちょっと考えてしまいました(ホームアドバンテージや人種差別はさておき)。
    うまくまとめられませんが、同じ国家・国益の為とはいえ、キム・ヨナさんの場合はかつての東側諸国の選手のような命懸けの努力や気迫を感じさせるものではなかったことも含めて、「冷戦時代は遠くなりにけり」と感じてしまう私です。
    (という具合に、いつもこちらの記事からは本当に色々な面で触発されるものがあるので、衣装そのものと関係ない話になってしまい恐縮です・汗。)

    Like

    • ヴェロニカ さま

      こちらこそ変わらず読んでくださってありがとうございます。

      ビット様と茶化して書いていますが、ほんと衣装一つとっても冷戦時代の緊迫感があったわけですよね。当時から技術的なことはそれでもない、とNHKの大会でもいわれていたと思います。だけど、亡き父に至っては「ええなあ」「ええなあ」と。

      そんな両親なので、みどりさんのことはあまりよく言っていませんでした。私はかなり豪快なみどりさんにあこがれていましたけど。だいたい彼女と同じ年代なんです。

      とにかくうちの親は何をするにもやるにもさせるにも「見てくれ重視」だったので、それに対する反発は個人的にはありまして、あんな回想録になりました。

      加えていうなら今回のフランスの襲撃殺人事件で、あまりにも多くの日本の人たちが「イスラム教徒として生まれた人たちは、親から踏襲したイスラム教に対して「みな」敬虔だ」という前提で話していることも驚きです。

      ああやって原理主義に走る移民の子供たちも「リベラルになっちまった親に対する反動」で原理主義に走っている部分もあり、一方でフランスでも世界的にも「敬虔なイスラムの家庭」に生まれた、特に若い女の子たちは少なからず「イスラムの教えの束縛」に対して反抗したくても押さえられてできない部分もあるわけです。

      立場は違えど、そういうものもろもろもひっくるめて親や親のような存在が持つ権威に対する反抗心という意味では、みんな多かれ少なかれ「私はシャルリ」という側面を持っていると思います。フランスという国に生まれたフランス人はとりわけそういう側面を伝統的に持っていると思うんです。だからこそああいうデモになったと思いますし、私はフランス人がそうした反抗心を押さえて自主規制するようになったらフランス人じゃないと思っていて、フランス的なフランス人はそうした権威に対する反抗心の象徴的な存在だとすら思っています。いい悪いの話ではありません。そうした思いも少なからずこのエントリに、図らずも込めてしまいました。

      Like

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s